50歳からのストラグル

もう結構年を重ねたなー、って言いながら、行政書士試験2024、TOEICなどなど頑張ります。くしゃエロ族の末裔です。

読書【君のクイズ】ゼロ文字押しの謎

昔、高校の文化祭でクイズ大会なるものがあった。私がまだ高校生だった当時は「アメリカ横断ウルトラクイズ」が放映されていて、「ニューヨークへ行きたいかー?」で大盛りあがりだった昭和の時代。クイズ大会が開催されている体育館に行ってみると、ちょうどこんなやりとりがあった。

 

司会者「問題! ノルウェイの森で有名な、、、」

生徒「はい!(ピンポーンなんて音が出る早押しボタンは悲しいことに高校にはなかった)、村上春樹!」

司会者「ぶー!!! 正解はポール・マッカトニーです!」

 

なんでこのやり取りが今でも記憶に残っているかといえば、この司会者の「俺の思惑通り、村上春樹って答えちゃうよねー! 狙い通りの誤答だぜ! ガハハハハ」という「してやったり感」がすごく感じられたからだと思う(ただ、ノルウェイの森はどちらかと言えば、ジョン・レノンだと思うのだが、どういう問題だったんだろう?)。

 

その後も結構「引っ掛け問題」が多発していたのだが、このやり取りを見ていた私は、クイズって出す側の性格が出るんだなーと思ったのでした。

 

そんな私の思い出を披露した後に、紹介するのが、今回読んだ本。

君のクイズ by 小川哲 さん

あらすじ

生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。いったい彼はなぜ、正答できたのか? 真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり――。

てことで、私の思い出である「クイズ」が舞台となっている。

いやー、実際に無理だよね? 一文字も問題が読まれぬうちに回答して正解って、ありえない中のありえない。

主人公はその謎を追っていくのだが、周囲が疑う「やらせ」と違う方向に解明の糸口を求め、深く深く進んでいく。

それはクイズの振り返りであり、ここらへんは傑作映画「 #スラムドッグ・ミリオネア 」を彷彿とさせる。

そして、私の高校時代に思った「クイズって出す側の性格が出る」ってことと、エンターテイメントとしての生のクイズ番組という特性に注目する。

 

ラストまで一気読み必至! ラスト間際に私の大好きな本 #舞城王太郎 さんの#熊の場所 が出てくるのもまたいい!

本は昨年話題になったものだけれど、1年後の今でも面白くて、読んだ感想を誰かに話したくなる、そんな本でした。