9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か?
大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。
翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。
そんな矢先に殺人が起こった。
だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。
引用元:講談社BOOK倶楽部
除夜の鐘
除夜の鐘まであと2週間ちょっと。50歳になった私ですが、40歳を過ぎたあたりから、時間が加速度的に早くなっている気がしており、「もう年末かよ! 今年は猛暑だったなーってついこないだだったはずなのに。。。」と光陰矢の如しを体感しております。
そして、年末といえば「除夜の鐘」。ゴーン。
こんなツイートも。
お願い
— カレー坊主 (@curry_boz) December 29, 2022
用法用量を守って鐘をつきましょう
除夜の鐘。思いっきりゴーーン!と鳴らしたくなりますよね。しかし、余韻も消えないうちに連続で強打すると鐘にダメージがあります。最悪、鐘がひび割れたりします(しました)。鐘は各寺院の指示で用法用量を守って正しく撞きましょう#大晦日#除夜の鐘 pic.twitter.com/7nf8lBBiuf
「除夜の鐘」とは、12月31日の大晦日の夜に、お寺の梵鐘をつく仏教行事の一つ。煩悩をはらう、と言われていますね。
除夜というのは大晦日の夜のこと。ちなみに、晦日とは月の末日のことで、最後の最後の晦日は大晦日と言います。
では、12月30日はどうかというと、「小晦日」といいます。「しょうみそかねー」と言っちゃだめで、なぜか「こつごもり」と読みます。ややこしい(笑。
お坊さんのツイートにありますが、除夜の鐘は連打しちゃ駄目なんですね。余韻が消え終わる頃に打つ、つまりは、余韻を味わうということが大事なんですね。
ゆく年くる年。来年もまたいい一年でありますように。
余韻を味わう物語
さてさて、この「方舟」という小説ですが、あらすじを見てもらえばわかるとおり、ミステリです。
- 地下建築ってなに?
- 都合よく地震が起きる?
- だれか一人を犠牲にすれば脱出できるって、どんな設定なの?
なんて思っちゃう方もいるかと思いますが、この小説はズバリ余韻を味わうものなので、全然構わず読み進めてください。
この小説は地下建築内部MAPがあるんですが、私は実は地図系を理解するのがあまり得意じゃなく、いつも方向音痴になりますが、それでもこの小説は十分楽しむことができました。
ミステリの王道「閉ざされた空間」で一人、また一人と殺されていき、
というところが余すことなく語られています。受け手側の私達ができることといえば、最後の最後で「脱出できるのは誰かしら? え? どうなっているの? え、え、え、、、うーん。で、人生は続いていくのね」とちょっと長めの独り言を言い、本をぱたんと閉じ、黙ってコーヒーをすすって目を閉じるのみ。
そんな小説が「方舟」です。
ラストに見を悶える人もいるかと思いますが、謎を推理する醍醐味とともに、余韻を味わいたいというあなたにぴったりな小説です。
価格:1760円 |
本当に最近映画とか本ばかり見てて、まったく勉強しておりませんね。。。
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