大都会の真昼間、通りを一人歩いていた女、カン・スア(カン・イェウォン)は、理由も分からないまま突如誘拐され、精神病院に監禁された。そこで待っていたのは、強制的な薬物投与と無慈悲な暴力、そしてこれまで経験したことのない非現実の世界だった。狂気の中で、彼女は病棟での出来事を手帳に記録し始める。
それから一年後、ヤラセ問題で干されかけていた有名TVプロデューサーのナ・ナムス(イ・サンユン)宛に1冊の手帳が届く。その手帳に記録されていた信じがたい出来事に興味をもったナムスは、カン・スアを訪ねるが、彼女は殺人事件の容疑者として収監されていた。取材を重ねるごとにスアが体験した衝撃的な事実とその背後に蠢く底なしの闇が明らかになっていく――。
引用:Filmarks 作品紹介ページ より
かつて、韓国の法律では「保護者2人の同意と精神科専門医1人の診断があれば、患者本人の同意なしに「保護入院」という名の下に強制入院を実行できた」そうです。
あいつさえいなければ・・・・
という状況では、そんな法律を悪用しちゃう人はいるでしょうね。実際、頻繁に事件が起こり、社会問題化していたそうで。この映画はその保護入院をベースとしたサスペンス映画です。
主人公カン・スアは、まさしくその犠牲者で、突然保護入院となります。そこから起こる悪夢のような出来事に、見ている我々は気分が悪くなるわけですが、院長役の方が私的には「The 怪しい院長」にピンポイントな外見で、実際に会ったら恐怖だろうなーと思わずにいられません。
もう一人の主人公ナ・ナムスは、カン・スアに起こった出来事をなんとか暴いていき、「やらせ問題」でどん底に落ちてしまった自分の矜持をも取り戻すこととなります。
が、最後には・・・。というのがこの映画の最大に見どころでしょう。
いわゆる大どんでん返しです!
で、この最後の場面を見ていると、私は唐突に「ユージュアル・サスペクツ」を思い出しました。
ラストシーン。刑事がなにかに気づく。あのカイザー・ソゼにまつわる話が走馬灯のように浮かんできて、いろいろなものと符合し、あれ? あれ? と戸惑う。
で、それを見ている観客の心も一緒にそわそわとなる。
カイザー・ソゼって別な人なの? え? だれ?
と不安な気持ちとボルテージをMAXまで高めた挙げ句のエンディング!
あのラストのカタルシスが、ユージュアル・サスペクツを傑作に押し上げています。
この映画もなかなかいい感じなのですが、若干わかりづらいのか、それとも、私の理解が簡単に追いつかないからなのか、ハートを撃ち抜かれるほどのカタルシスは押し寄せてこなかったのが残念。
それでも90分という尺で、ここまでハラハラさせつつ、どんより嫌な気分にさせるのは作り込まれているからこそ。
なかなかに引き込まれる作品でした!
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