50歳からのストラグル

もう結構年を重ねたなー、って言いながら、行政書士試験2024、TOEICなどなど頑張ります。くしゃエロ族の末裔です。

僕はどんな風に死ぬのだろう from COURRiER 2月号

雑誌「COURRiER Japon」が面白い。この雑誌は、フランスの週刊誌『クーリエ・アンテルナショナル』と提携し、世界の1500を超えるメディアの中から記事を選んで(例えば、国際的なトレンドや世界から見た日本等)紹介してくれる。創刊時のキャッチコピーが「アメリカだけが『世界』でしょうか?」。まさにこれ。
気に入っているのが森巣博の「越境者的ニッポン」というコラム。自らをチューサン階級(中学校3年生程度の知識の持ち主の意)と称する博打打ち兼作家の森巣さんの日本へ向ける視点が鋭すぎてドキっとします。
で、2月号でおもしろかったのが「僕はどんな風に死ぬのだろう」という記事。元記事はUSAのGQで記者はリチャード・パワーズさん。
アメリカでは今DNAの解析サービスが盛んで、自分がどんな病気にかかりやすいか?祖先は誰か?といった情報を提供してくれる企業があります。最も有名なのは「23 and Me」。999ドルを支払い、免責条項にサインし、カップ1杯分の唾液を送れば、60万のSNP(1塩基多型)を調べてくれる。ただし、これは普通の人間の0.02%を調べる程度の解析に過ぎない。それじゃあ物足りないってんで、このGQの記者は全てを解析してくれるサービスを探し回って、ついに...。
遺伝子解析によって、記者は自分がどんな病気になりやすいのか、どういうリスクを備えているのか、自分の遺伝子と似ているのはどこの地域なのか等を知ることになります。そうして知ることで、自分とは何なのか、運命とはなんなのか、精一杯生きるとはなんなのか、を深く考え始めます。今まで自分の脚本どおりに人生は進めることができると思えたのに、今はその脚本は共著ではないかと、深く深く考えます。
これを読むと、近い将来、こうしたサービスは日本でも盛んになるのではないかと思えます。しかし、それはもともと”神の領域”と思われていた地点に侵入すること。いろんな論争が巻き起こるでしょう。ガンだけではなく様々な病気にかかりやすいリスクがあると判明した人は”精一杯生きよう”と簡単に思えるでしょうか?悲観せずに暮らせるでしょうか?俺は怖い。だから、こういうサービスは受けないと思います。