北国のラブホテルの一室で、心をも裸にして生々しく抱き合う男と女。互いの孤独を重ねる中に見えてくるそれぞれの人生の大切な断片を切り取る。
引用:集英社ホームページより
本作は第149回直木賞受賞作ですね。映画化もされています。
短編が7つあり、
- シャッターチャンス
- 本日開店
- えっち屋
- バブルバス
- せんせぇ
- 星を見ていた
- ギフト
という表題です。それぞれの短編が絡み合うことはありませんが、ひとつだけ、ホテルローヤルという名前のラブホテルは、必ず劇中に鎮座しております。
「シャッターチャンス」からどんよりした空気感がずーっと続いていきます。読んで心がほっとなる話はほぼないです。
ぎりぎりに生きている人々の話です。
ぎりぎりの考え方、ぎりぎりのお金、ぎりぎりの人間関係。
このぎりぎり感は読んでいて重しになります。だから、一瞬本を閉じようかとためらいました。
ところが、「バブルバス」から自分の中で感情移入というか、
登場人物たちこの後どうなっただろうな?
と気になりだしました。
短編で構成されている本って、
登場人物にまた会いたいか?
って思えるかどうかが、キーポイントだと思うのです。
長編ほど深く語られていないからこそ。
ホテルローヤルの後半は、「再び会いたい」人だらけの短編で、とても面白く読めました。
調べてみたら、映画化されていたそうで
引用:ハピネットファントム・スタジオ公式YouTubeチャンネル より
やっぱり実写化ってなかなか難しいですねー、って感想です。
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